4,新居 厚人さん(後編)カウンセラーインタビュー
■■■心理カウンセラーにインタビュー!■■■
心の専門家、お悩みを聴く専門家である「心理カウンセラー」ってどんな人たちなのか!?
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■インタビュー4人目、
心理カウンセラー【新居 厚人】さん後編です。
インタビュー前編では、新居さんの人生のエピソードと共に、カウンセラーになったきっかけなどを聴かせて頂きました。
ご自身のことを話しはじめる時に、必ずと言っていいほとに出てくる「面白い話なんですけど…」
それは、どんな苦難があったとしても、今を精一杯生きてきたからこそ、振り返ってみた時に「面白い!」と言えるのかも知れません。
後編では、さらにその秘密が明かされます。
※新居厚人さん(以降:アツ)
※インタビュアー窓の内側(以降:窓)
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窓:アツさんが得意としてる分野とか、こういう人が多いとか、そういう自分の得意な分野とか特徴とか、そういうのがあったら聞いてみたいんですけど。
アツ:いろんなパターンっていうか…いろんな人をカウンセリングしてきて、ほぼほぼ…100%とは言わないけど、99%人間関係の悩みだと思うんですよ。なので、人間関係に関わり、自己否定して、自分をどんどん責めてく人が多いんですよ。
その人を「いや、そうじゃないよ」って。
子供のこともそうだけど、そのまんまで素晴らしい、価値ある人間なんだよっていうことを、聞くだけじゃなくて、伝えるのことは得意かも知れないですね。
窓:伝えること…?
アツ:僕も大した人間じゃないから、自分の経歴を話すことによって、クローズドになったクライアントさんから言わせると、
「あんな変な新居さんでもいいんだ!」
っていう。いや、変なってつけなくてもいいと思うんだけど(笑)そういう風に言われることは多いです。
だからまぁ、どちらかというと…自己否定してる人ですよねやっぱり、自責してる人ですよね。
離婚したことによって、なんか自分は認められないんじゃないかとか、愛してもらえる価値がないんじゃないかとかって思ってる人とか…。
多いのがやっぱり、離婚を僕は経験してるからかもしれないけど、夫婦間の問題で…ちょっとDVとか。そこの呪縛から逃げられないっていうか。
それは最終的には弁護士とかに引き渡しちゃって、強制的にしないと…身の危険があるから。カウンセリングだけじゃなくて、そういうところまですることは多いし。
あと風俗関係の女の人とか、多くカウンセリングしてます。すさんでますよね…
なんで私がこんな思いをしなきゃいけない…でもお金稼がなきゃなんない。お金稼ぎたいけども、普通の会社に行けない。
で、自責をする…。
僕は、得意不得意とか、苦手っていう部分で、それを作らないようにして携わってきたから、全部イエスで受けるんですよ。
あと、お子さん多いですかね、子供。登校拒否とか、やっぱり経験してるから。
登校拒否(のカウンセリング)経験した時に、ほとんどの場合、子供じゃなくて親ですよね、今のことろ。僕のカウンセリングの中ではね。
親がやっぱり「この子のため」とかって言うけど、
「いやいや全然あなた考えてないですから」
って、そこ気づかされるポイントが多くて。
できればファミリーで、やっぱり子供だけの問題じゃないんで、子供に関するファミリーの問題なんで、やっぱり。うちも登校拒否だったけど。
ようするになんだろな。なんかこう…イライラしちゃうのかな?じれったいのかな?血が繫がってると。
待てないんですよ。
窓:待てない…?
アツ:子供が上がってくる(成長する)段階…っていうか、その子のスピードがあるわけですよ。
それを待てないでつい…カウンセリングしてる時は大丈夫でも、家に帰った時に、また手を上げてみちゃったりとか、ダメ!って否定してみちゃったりとか。
さっきも言ったけど、99%人間関係だと思うんで、人間関係の悩み。
上司と部下だったり親子だったり、恋人同士だったり夫婦だったり…とかっていう中で、できることなら、夫婦一緒に来てもらうとか。
言いづらいこともあるけも、そういう時は席を外してもらったりとかしながらも、双方の意見を聴けるように必ず3人で対応するようにしてるし、そういうスタイルを取ってます。
窓:夫婦だったり親子だったりしたら、両方の方に来て頂く。
アツ:例えば、夫婦一緒にすると、
「あなたそんな事考えてたの?」
っていうがあるわけですよ。そこを引き出してあげたいっていうか。
より良い未来のために関係を構築していきたいけど、そのモヤモヤが…みたいなのもあるわけですよ。その時にはやっぱり、双方が本当に思ってること…その言葉を聞けただけで、
「あなたそんな事考えてたんだね」
「おまえそんなこと考えてたのかぁ…」
ていうのが、聞き出せることがあったんで、これは二人でやったほうがいいなっていう感じで。全部トライアンドエラーじゃないけど、とりあえずやってみようかなと思って、二人でやり始めたのがきっかけで。
窓:複数カウンセリングが得意ってことですね。2人とか3人とか。それ珍しいですし、いい特徴ですね。
アツ:元々きっかけは、コロナが始まる前とか4〜5人のグループカウンセリングをよくやってたんですよ。悩みがある人に集まってもらって、職場でもよくやってたりしてたんです。
中には、手を上げて悩みを言えない人もいるわけですよ、(自ら)集まって来ても。
ある人が質問したことによって、
「同じようなこと質問したかったけど、私は質問できなかった。でも誰々さんが質問してくれたから、それと新居さんのやり取りを聞いてて、ああそうなのか!って気づきがあった」
って言ってくれたんですよ。そういう人も中にはいるんだなぁと思って。
そこは何かなと思ったら、やっぱり、基本日本メンタルヘルス協会もそうじゃないですか。
あれは衛藤先生がカウンセリングしてるような講義と一緒しゃないですか。
それの小さい版みたいな、5人ぐらいでやってて。
その中で自分が気がづいたのが、親子関係だったら親子で来てもらう、夫婦関係だったら夫婦で来てもらう。
っていうのがいいんじゃないかなと思ってトライしたのがきっかけで。
窓:グループカウンセリングから、親子関係なら親子で、夫婦関係なら夫婦できてもらってカウンセリングをするっていうスタイルを作ったってことなんですね。
アツ:照らし合わせてね、日本メンタルヘルス協会のあの教室を…あそこは講座になってるけど。
でも、あそこに来てる人は、何かを気づこうとか、何かを得ようとか…思って来てるわけじゃないですか。
そういうスタンスで来てもらえたら、どれが当たるかわからないけど、まずは話を聴いて。何かを伝えてみて…その中で、気づきがあってくたらいいかなっていうのが得意ですかね。
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〜エピソード3,母の教え〜
アツ:あの基本的なスタンスですけど、人は救えないと思ってるんです。
気づかせることはできるけど、救えないと思ってるんで
、救えると思ったら僕のおごりだと思ってるんですよ、カウンセラーやってて。
カウンセリングする時、僕、ピエロになろうと思ってるんです。
必ず、カウンセリングよりも何にもよりも大事なことは、その人から笑顔を引き出そうとしか思ってないんですよ。
何がしたいかっていったら、(カウンセリングに)来た時よりも笑ってくれたらOK!としか思ってないんです。言葉なんていらないんですよ、その人が笑って帰ってくれたらいい。
僕、相対する人が笑顔になってくれたら、それがすべてと思ってるんで。
昔はこう…まだ学んでる頃は「ありがとうございました」って言われることが嬉しかったり。そうなんだけど。
これの原点はですね、実は僕の母親…
母親のガンが発覚したから僕、田舎(群馬)に帰ったんです。子宮頸がんだったんですけど、母親が開腹手術をして、
「余命1ヶ月です、長くて3ヶ月です」
言われた時に、
「おい…」
母親がお医者さんの名前を呼び、
「手術をしてくれたことには感謝するけど、人の命を勝手に決められてたまるか。大丈夫だ。私が死ねばガンは死ぬ」
って言ったんですよ。それくらい強きな母親だったんですよ。
そこから闘病生活。いろいろやって実際、5年半生きるんですよ。
実家に何日かに一回行っては、
「アツ!痛くて我慢できないから、腰をさすってくれ」
さすってあげるじゃないですか。
ある時に、誰か訪ねてきたんですよ。
「さっちゃん(母親の名前)いる〜?」
って、その声を聞いた瞬間に、今まで痛くて唸ってた人が、立ち上がって玄関行ったんですよ。動けるわけないんです。
人間て凄いなぁと思うんですけど。
「わー!よく来てくれたね!」
って。母親の友達が遠くから会いに来てくれて。
30分くらい居たら母親が、
「なに、もっと長くいればいいじゃん!」
「いやでも、さっちゃんに負担がかかっちゃうからさ。私会えたし、また明日も顔見せに来て、そして帰るから今日はここで。話できたから良かった」
って帰ったじゃないですか。
二人で見送ったその瞬間に、崩れ落ちたんですよ、玄関で。立ち上がれないって言うんですよ。
いや、今まで立ってたじゃん!?っていう。
その時に言われたのが、
「これが、私の生き様」
ベッドまで抱えて、ちっちゃいから抱えて行けるんですけど、その時に、
「アツ、利他の心を忘れるな」って。
窓:強い方ですね…。
アツ:それが、やっぱり僕のベースですかね。
「いいか。相手が笑ってるってことは、お前が笑ってるってことだから。もし相手が笑ってなかったら、お前が笑え」って。
「だから私は笑った」
それを見せられたわけですよ。
それを見てて、笑顔で帰ってくれることを望んで、笑顔がちょっとでも見れたら成功、自分の中の成功。
それだけでいいです。
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〜エピソード4,かもしれない〜
窓:カウンセリングしてて感じることとか、悩んでいる人に対して思うこととかありますか?
アツ:カウンセリングしててよく、話を聞いてて思うのは…
たまたま、そっちを選択しただけなんですよね。よく言うけど…
「あれがトラウマで…」
とかって。言うじゃないですか。親に何か言われた時がどうのこうのって。いや、あなた受け取ったんだよね?って。
『受け取らない』を選択した人生もあったわけじゃないですか。
そこを理解してない人が多いかなーっていう。
窓:自分の選択だっていうことに、気づいてない?
アツ:自分がそっちを…「ああ親に言われた。それが正しかったんだよね」って、勝手に【正しい】を判断して、そっち(親の言葉を)選択しちゃってるけど、その時にNOとも言えたわけですよ、本来なら。
「おまえは何にも分かんなくてバカなんだから」
とかって言われて、
「あぁ、私はバカなんだ」
を選択したわけですよね。
それは親の観点でバカであってさ。 他の人から見たら、すごく良いところもあってさ。
そういうのって何だろう?長所も短所もそうだけど。
「ここが私の欠点で…」
とかって言う人いるわけですよ。その欠点っていうのは、本当は、あなたを形成するために「欠かせない点」だと思ってるんですよ。俗に言う「欠けてる点」ではなくて、「欠かせない」と思ってるんですよ。
だから『あなた』なんでしょう?
僕にだっていっぱい欠点あるよ。でも、僕はそこを見ないから。
あなたはそこしか見てないよねっていう。
あそこの心理学(日本メンタルヘルス協会)講座を聞いて、本当にいつも感じることが多いです。
勝手にそっちを選択したんだよねって。
「ダメなやつ」とか、「ダメな長男」とか、「ダメな末っ子」とか…で、言われたことに対して鵜呑みにして、
「あぁ、僕は私はダメな人間」
って、価値がないんだ、とかって勝手にチョイスしたのは、あなただよね、っていう。
そこを覆すと、
「あっ!いいのか」って。
「その意見に賛成しなくていいのか!?」
って気がついてくれる人が多いわけですよ。
そこに持っていくまでが大変だけど、持ってったら早いんですよ。
その時のこと、いつも気にする。
長年経って、また同じような経験すると、そこに戻るわけですよ。
「やっぱりそうか…」
って。
「やっぱりそうか」
も、その人がチョイスしてるわけじゃないですか。
「やっぱりそうか」
を、どこかで
「やっぱり違うよね」
に…選択することもできるけど、永遠にここが、
「そっちが正しい」
しか見てないから。反対側は正しくないと勝手にしてる人が多いかなっていう。
だから、そこの部分まで遡ることができたら、カウンセリングのクローズドが早いかなっていうのは、感じますね。
そこで、なかなか戻れない人も…。いろんな話を聞いてさかのぼってるけど…なんか、他人ごと 。
「誰々が言った」が正しくて、それ自分で感じた…勝手に言われたことを鵜呑みにして思っちゃったわけじゃないですか。「そうじゃないよね。」っていう風には捉えられない人が多いかなと思ってます。
窓:「自分ごと」と捉えられない。
アツ:言われたから、それが正しい。本当なの?っていう。何を基準にそこその意見に同調したの?賛成したの?「あ、そうだよね。」って思ったの?って。
大体の人は「だって 親が言ったから」とか。
だけど、自分の基準ではどうなの?っていうのがないっていうか。
自分で判断できるようになったら、早いかなっていう。
窓:自分の選択、自分の判断。何事も。何かが起きた時に、それが良いか悪いかも、どっちを選択するかも。
アツ:選ぶの 好きじゃないですか。どっちでも選べるわけですよ。言われたから…言われた方が正しいとは限らないわけです。
窓:もしかしたら、このこっちの選択肢 、言われた側の選択肢しか見えてなくて、もう片方の選択肢が見えてないっていう可能性もありますしね。
アツ:例えばわかりやすく言えば、YESの反対はNOだけど、NOが見えてなかった。
NOの部分はこうだよね、っていうことを言ってあげることで、「あ!」っていうような…。
窓:「あった!」みたいな、「その選択肢あった」
じゃあ そっち選んで良かった?みたいな。
アツ:なんか、言われたことによってそこ… 変な風に繋げることもあるんですよ。
「やっぱり私は愛されてなかった」とか。
「やっぱり、あの時の言ったことは正しくて、愛されてなかったから、それを言われたんだ」って。
そういう方はいますよね。
窓:その選択肢、自分で選んでいることであって、自分の判断なんだよってことに気づいてもらう。
アツ:あとは頑なに、その学んだこととか、それが絶対正しいと思ってる人。
そういう風に思ってる人は、かかるよね…時間がね。
僕も否定しないよ。その…正しいけど。
変な話で言えば「アドラーが…」「嫌われる勇気が …」
いやいや、勉強しすぎだからって。
それが絶対ではないからって…見えない世界だから、これが(正解)っていうのはないよっていうのが言いたいんで。
特に最近多かったのは、本が出た影響ですかね。アドラーが…、アドラーが…って、頭でっけえな…、みたいな。そこの部分だけで捉えて、多分消化しきれないんでしょうね。
そこに当てはめられない部分あるじゃないですか。
何かした時にやっぱり、衛藤先生も言ってたけど、「すべきだ」とか「ねばならない」って言い方する人が多いって。
それは本当に実際にやってて感じることであって。
僕はそういう人たちが結構多かったりもしたんで、その時によく言うのが、
「語尾に全部『かもしれない』をつけよう」っていう。
窓:「かもしれない」いいですね!
アツ:言葉…言葉大事なんですよ。
「〜するべき」とか「〜ねばならない」って思ってる人って、それ(かもしれない)にしたら「え?」っていう表情するんですよ。
「かもしれない…、でいいの?」
って言った人もいます。
わかんないことでしょ?って。
「かもしれない」言えないんですよ、みんな。言おうよ!っていう。
一番最初に繋がるじゃないですか?こっちも取れるけど、こっちはなぜ取れなかったの?って話じゃないですか?それをすごく大事にしてます。
僕は大切にしてます。本当に。反対側を残す っていうか。
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アツ:本当に僕も一時、それは離婚した時に…人生の落伍者じゃないかと思ってたんです。
僕は一途に人を愛して、その…家庭を、笑顔の絶えない家庭を作ってやっていきたいと思ってたけども、それが叶わなくて。ダメな人間なんじゃないか って思ってたことがあったんです。
そういうふうに思いながらも、一生懸命、5時起きして朝食作り、8時から会社に行き、5時か6時くらいに帰ってきて、7時から9時まで(娘の)テニスのレッスンをしに行き…。
で、夜11時から3時まで代行の運転手って生活をしてたんです。それを3年以上続けたわけです。
よく生きてたと思って。今やれっ言われても、できないですよ。
それぐらい目まぐるしく動いてたから、考えることもなかったけど、いつも人生の落語者だと思って生きてたんです。一人の人も愛せないで…って思ってたんですけど。
娘が成人する時に、手紙をくれて。
「お父さん、あの時、子供達を理由に『別れない』を選択しなくて良かった。私たちはそんな十字架を背負いたくない。こんな娘ですけど、わざわざ神奈川まで来てくれたりして、大変な思いをしてきたと思うけど、こんな娘ですが成人しました」
って手紙を寄こしてくれて。その時に、
「あ〜…良かったんだ…」
と思いました。
そんなエピソードもあります。
窓:でもそれは結果、ほんと良かったっていうことになったわけで、その時はね、もう必死ですもんね。
アツ:その必死さがあり、良かった〜があり、を経験して、先に行ってみなきゃわからないと。
「もう僕の人生真っ暗なんだ。」
今はそうかもしれないけど、結局その先に行ってみて、振り返らなければわからないんだよってことを伝えるようにしてます。
自分がそうだったから。
その時は僕も分からなかったかなと。
でも、こういうことがありますよっていうことは、僕は、経験したから伝えられるだけだって。
なかなか、今がどん底の人っていうのは、見えないわけですよ。
そんなことも伝えるようにしてますかね。
僕のベースですよ。シングルで子育てしたっていうの。
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ご自身のベースとなるお母様のこと。
結婚、離婚、シングルファーザーの子育て。
日本メンタルヘルス協会で学んだこと。
カウンセリングの実践…
ご自身の経験のすべてを使って、人を笑顔にすること。
実際のエピソードをたくさん語って頂きました。
いかがでしたか?
実は、まだまだたくさんお話を聴かせて頂いたので、この後『番外編』として、エピソードをご紹介します。
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「窓の内側」にいる、心理カウンセラー美樹teaの
【お茶うけ心理学note】もあります!