4,新居 厚人さん(前編)カウンセラーインタビュー

■■■心理カウンセラーにインタビュー!■■■



心の専門家、お悩みを聴く専門家である「心理カウンセラー」ってどんな人たちなのか!?


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■インタビュー4人目は、

心理カウンセラー【新居 厚人】さんです。


江ノ島近くのカフェ。

はじめてお会いしましたが、とっても気さくで、なんとも言えない安心感のある方。

お話を聴かせて頂くにつれて、その理由が分かってきました。

離婚し、シングルファーザーとして3人のお子さんを育ててきた新居さん。

でも本当は「親にしてもらった、親育てをしてもらった」と言います。

紆余曲折、山あり谷ありを経験されてきたお話は、出来事の重みとは裏腹に、聴いていてとっても軽やかでした。
それは、起きたことの全てを受け止め、受け入れ、向き合ってきたからかもしれません。

そんな爽やかダンディーな新居さん。




まずは、カウンセラーとしての活動をお聞きするところから、話はどんどんと面白く展開されていきます。



 ※新居厚人さん(以降:アツ)

 ※インタビュアー窓の内側(以降:窓)



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 これ、面白い話なんですけど…


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:アツさんは、どのような活動されてるんですか?


アツボランティアカウンセリングもやるし、有料のカウンセリングもやるし、どっちもやるんですよ。

僕、わざと高い設定にしてあるんです。本人の、本当に復帰したい…再起したいとか、立ち直りたいとか、悩みから開放されたいって、本気で思わない限り、どんなにカウンセリングしてもだめなんですよ。それを痛切に感じて悩んだ時があって。

本気の度合いで1時間1万円、2万円、5万円って設定にしてあるんです。
1時間1万円なんですけど、1時間1万もあるし、もうちょっとやりたいって人には…1時間1万と言って、全然2時間〜3時間やるですよ。

面白いんです。延長料金は?って聞かれて、「結構です!」って言っちゃうんだけど。

でも、僕のポリシーは…絶対大事にしてることなんですけど…一回で終わりにしたいんです、できれば。
だって(クライアントさんが)何度も何度も通うのって大変じゃないですか?じゃあ今日はここまでにして、また次にしましょうねって。

確かに継続的にやらなきゃならない人、フォローしなきゃならない人、いますよ。そこの見極めは大事で。

僕、どっちかって言うとカウンセリングっていうか、ストーリーテラーをするような、カウンセリングスタイルなんで。

笑えるような経験いっぱいしてるんで。いろんな話を自分の経験の中から…その中でどのストーリーが合うかはわからないけど、それを話した中で、クライアントさんが気がづいてくれて…。

クライアントさんに、5万(のカウンセリングメニュー)っていう人がいるんです。面白いんですけど、5万て言いながら6時間やり続けたんですよ、カウンセリング。僕がヘトヘトですよ、一生懸命やるから。6時間半くらい。7時間はいってないと思うんですけど…約半日、ずーっと。ずーっと最初は聞いてて、何か質問したことに対してこたえて、いろんなことをして…自分のストーリーも話して。

その人、振り込む時に10万振り込んできたんですよ。「え!」って。
「受け取れないですから」って、すぐに連絡したんです。そしたら、
「いや、10年悩んでたのが希望の光が見えて、自分がこういう風に進んでいけばいいんだっていうことが、6時間でわかったんですよ!私、10年間悩んでたんです。それが、こんな晴れやかな気持ちになれたのは感謝しかないんで」
って。それは、面白い経験でしたね。

ただ、どれを選んても、僕は全て5万円分のカウンセリングスタイルをする。ボランティアカウンセリングの人に対しても5万円分全力でやるんですよ。


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 〜エピソード1,息子〜


アツこれも面白いんですけど、僕、カウンセラーだけじゃなくて介護の仕事してるんですよ。すると毎日がカウンセリングです。

そのきっかけっていうのは…長くなりますけど。
離婚して子供3人育てたんですよ。シングルファーザーです。男の子が中学2年生と中学1年生、一番下の女の子が小学校5年生って段階で。

これ、面白いんですけど。

離婚が決まって…お兄ちゃん…登校拒否だって知ったんです。知らなかったんです、仕事人間だったから。

離婚が決まって、シングルファーザーで育ててく…っていうことが決まった時に、翌日学校にご挨拶に行くわけですよ。先生から、「おたくの実は息子さん来てないんです」っていう話になり…

そこで知ったんですか!?

アツその時に…
「わかりました。僕がこれを聞いたからって、息子と話したからって、来るかどうかは分からないけど、僕にとっては自慢の息子なんで。状況はわかりました。」
で、一旦帰ったんですよ。
帰ってからお兄ちゃんに、
「全部話聞いてきたけど、行きたかったら行けばいいし、自慢の長男であるお前に変わりはない。話したいことがあれば話せばいいし、話したくなければ話さなくていいって。なんら君の価値に変わりはないから」って。今もずーっとそこが根付いてる、僕のベースです、カウンセリングの。

また先生に、僕は電話で呼ばれたんで、行きました。先生が、
「あの時、お話すればよかったんですけど…」
伝えてないことがあると…
実は、給食費と修学旅行費と、そういう積立てなんとかとか、いっぱいあるじゃないですか?それを払ってないんですよね、って言うんですよ。

僕は知らないわけですよ。変な話だけど、すべて通帳もカードも(奥さんに)渡してたから、賄ってると思ってたんです。

「そうですか。分かりました。先生、まだ時間あるんで、幾らですか?銀行行ってお金を下してきます。」て言って、その場で全額払ったんですよ。

家に帰り(お兄ちゃんに)「こういうこと聞いたんで、全額払ったよ」って。

もしかしたら、そういうのも影響してるのかな?と思ったら、やっぱり当たってて、
「僕は給食食べちゃいけないと思った。だから学校に行っちゃいけないと思った」
とか、そういうことを話してくれて。
「修学旅行も行きたいけど、積立ててないってことは、行っちゃいけないんじゃないか…行けないんじゃないかって不安に襲われたら、学校に行けなくなった」って。

「そうだったんだ…気がつかないで、悪い想いをさせたね…不安な想いをさせたね…」って。

便宜上よく言うんですけど、3人の子育てをしてきたって。実は…親にしてもらった。親育てをしてもらったというか。

まれなことで、お兄ちゃん実は、保健室登校から教室に戻ったんですよ。

学校からまた電話がかかってきて、今度は何だ!?みたいな。ドキドキしながら、行くわけですよ。
「お父さん、何をしたんですか?」
って、また…もう悪い予感しかないじゃないですか、何をしたんですか?って言われたら。え!?どうしよう?何があったんだろう?
「いや、何もしてませんが…?」って。
〇〇君(お兄ちゃん)、クラスに戻ったんですよ」
って、その報告だけだったんです。いやそれ、電話でいいじゃん!ていう(笑)

窓:確かに(笑)でも、先生にとってはね…

アツそう、一大事なんですって、(教室に)戻れないんですって。

(お兄ちゃんが)学校行くようになって、3年生になったら進学ってのがあるわけですよ、高校に。
「どこ行きたいの?」って言ったら、
「お父さんと同じ進学校行きたい」
って言われたんですよ。
県内でも有数な進学校だから、偏差値76とか78とかないとだめくならいな進学校で。
「そうなんだ。じゃあ頑張れば」
って始まったんです。

一回目の三者面談の時にも
「本人が行きたいって言ってるとこでお願します。」
先生にもそれを断言して。

10点取れない子を、15点から30点取れるようにするのは簡単なんですよ、正直なところね。
そこから先になると難しいけど、ある程度のところまで引き上げてあげようと思って、
「わかった。じゃあ今日から毎日、仕事と仕事の合間に勉強みるから」
って、お兄ちゃんと一緒に…二人三脚で(勉強)見たんですよ。それをずっと続けたんです。

最後の三者面談に行くわけですよ。
「お父さん。おたくのお子さんだけ、まだ進路が何も決まってないんです」
って言ったんです。
「本人は頑なに頑張って、僕と同じところに行きたいって言ってます」
って。一緒に二人三脚で彼の勉強ずっと見てきて…50点くらい取れるところまでいったんですよ、半分くらいまで。
「本人がやるっていうんだったら、僕はそれでもいいと思ってます。受けたいって言うなら受けさせます」と。
「だけど先生、聴いてください。僕は一生懸命…二人三脚で勉強してきた結果、子供に望みたいことは、彼に大切なことは、この春に同級生と同じスタートラインに立つことだと思います。それなので、家の家計のこと…お金のことは何にも心配しなくてもいいっていう状況にするから。本人がそれでも公立高校進学校目指したいっていうんだったら受ければいいけど、親としては私立でもどっちてもいいです。本人に1日だけ猶予をください。考えさせてもらいたいんです」
って親の本音を言ったんです。
分かったな、って言ったらその場で
「分かった。1日考える。」
って言って翌日の朝、
「お父さん。私立受ける。」
って学校に向かうんですよ。
そしたら推薦で私立に受かったんです。学校推薦みたいのあるじゃないてすか。それを受けさしてもらえたんですよ。ちゃんと成績もそれなりにいったから。
で受けて、受かって。

人間て変わるんだなって思うのは、高校3年間、無遅刻無欠席で最後の卒業式の日に表彰されるんですよ。

すごい!

アツすごいなぁ…と思って、本人の心一つなんですよ。そういうのをいっぱい経験してるんで。

そうすると、あの時に…簡単ですよね。
引きこもりで、何かがあって鬱だって…。医者に行くって選択肢を取ることもできたけども、僕はそれをしなかったわけです。

そんなことがあるんで、そういう…僕にとっては、いろんなエピソードだったりストーリーは、すべてカウンセリングに役に立ってるっていうか。

まず、諦めないこと。全てを認めること、受け入れてあげること。何ら変わらないよっていうのが、僕のスタイルです。


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 〜エピソード2,
   離婚・借金→不倫→カウンセラー〜



アツ実は奥さん、借金作って逃げたんですよ。いろんな事情が…後々わかったことですけど、言ってくれれば何とでもなったけど…。
決して恨んでないですよ、子供たち残してくれたから。

仮面夫婦でも、夫婦共にいたほうが子供のためにいいんじゃないか…悩んでた時に、娘から「お父さんケリつけなよ」っていうメールが来て。それがきっかけで…たった一言ですよ。

で、(奥さんに)話を切り出したら、もう翌日離婚届がテーブルの上に置いてあり…なんかあっという間に。

僕、神奈川の人間じゃなくて、群馬の田舎の人間で。そこから、一番末の娘がテニスをやってて。
「お父さん、テニスで神奈川行きたい」
って、たった一言で、1000万プレーヤー近い年収もらってた会社を、「じゃあ行くか!」って辞めてこっちに(神奈川に)来ちゃったんです。

これまた面白いんですけど、(離婚後)ある程度落ち着いて来た頃に…ある女性と知り合ったんですけど。の女性、旦那さんと別れてなかったから、不倫状態だったんです。
の女性に…「衛藤先生に会ったほうがいいよ」って。僕より先に日本メンタルヘルス協会(の講座)出てて、付き合ってる時にそういうことを言われてて。
それで門を叩いたんです。

その以前に、娘のテニスのコーチもやってて。どちらかというと技術スキルのコーチとうよりかメンタリティをまかなうような、メンタルトレーニングとかをやってるコーチに近かったんです。もちろん技術的なことも教えてたけど。娘と二人三脚でクラブにも行ってて。

その時に心理学を学ぼうと思って本を読んだんです。3秒で眠なりました(笑)難しい事書いてあって。そうじゃなくって、人と人との付き合いだから、自分で深層心理を探らなきゃだめだなと思って。

結果として不倫になってしまった彼女…もしかしたらこの僕の役目は…僕は離婚経験してるし、彼女が離婚成立するまでのサポートのために、何かをここから学べってことで、そうなってるのかな?っていう気持ちが半分湧いてくる中で…紆余曲折ありますよ、そりゃあだって…僕、不倫が大キライだったんです。結果としてなっちゃったけど。それは、気持ちが分かりました。好きになったらどうしようもないんですよ。

その気持ちも…だから分かるんで、両方の立場がわかります。両方を(不倫される側と不倫する側)経験したがために。

ある時…すごくきっかけになったのが…まだ(日本メンタルヘルス協会が)銀座にあった時で。スタッフに湘南スイーツ買っていったりとか、そういうの好きだから、ちょっと早めに行くんですよ。

ちょうど衛藤先生がタクシーから降りてきたのが見えたんですよね。なんで…エレベーター開けといてあげて。そしたら衛藤先生が、「ありがとう」って言って。

その時はまだ、若気の至りがいっぱいある…カウンセラーなんてやれるレベルじゃないのに、衛藤先生に、
「新居くん、最近どうだね?」とかって言われて。
「しっかり先生の背中を追いかけてますよ」みたいな。
そしたら、「大丈夫だね。素晴らしいカウンセラーになってくね」って…言った時に、確証ないじゃないですか?それを衛藤先生にそのままぶつけちゃったんです。「確証ないですよね?」って。
そしたら、
「君は確証がないと人を信じられないのかね?」
衛藤先生語録ですよ。面と向かって言われたの。
「あぁ…そうですよね…」って言って。

それが、講座を受けに行って2回目くらいだったんですよ。それで、じゃあ僕も自分が信じる道で、学びながらやってこうと思って。2講座が終わった後から、もう自分でカウンセリングやりますって言いはじめて。

窓:そんなに早かったんですね。

アツ:経験してみなきゃ分かんないじゃんっていうのが僕のスタンスだから。

介護に入ったのもそうなんですよ。「介護なんて大変だぜ」って言われて。でも、その時に、心理学を学んでて、症状的に認知症と鬱の症状が同じ傾向が見られることがあるっていうようなことを学んだときだったんで。なら経験してみたいってなって、飛び込んだんです。

人生の良き先輩の中は、心理学の勉強にイコールになるような、いろんな教えをやっぱり…人生経験、僕が経験できない人生をみんな歩んでるので。

それも僕が介護を離れない理由っていうか。毎日カウンセリングしてるような状態だし。

窓:元々じゃあ、カウンセラーになりたくて…って感じだったんですか?


アツこれがですね、面白いんですけど。
実は高校時代に僕は…、五木寛之という作家の本に憧れて、外交官て凄いな!外交官になりたい!と思って、その道を目指そうと思ってやってたんですけど。
オツムが、マルコメの味噌しか入ってないから(笑)足りなくて(笑)じゃあ教育学部くらいかな?みたいな。
でも、教育学部だったら英語やりたいと思ったから…英語しゃべれないですよ、でもその当時は、英語の先生になりたい!って。
またそこもね…発酵しすぎたマルコメの味噌しか入ってないんで(笑)その時は落ちちゃったんですよ。で、教育心理いけば?って言われたんですよ。
でもその時、教育心理って何?っていう感じだったから(行かなかった)。その時に行ってたら、また違った…そういうメンタリティの部分の経験したんでしょうけど。

遠回りしたけど、そこに帰ってきたんじゃないかと思うんですよ。

元々そういう道で、人の心の部分をサポートするような役まわりで生まれて来たんじゃないかなって、思うことがあって。
ていうのは、テニスでもメンタリティの部分をサポートして。謎の不倫相手から日本メンタルヘルス協会を紹介されて…おかしくないですか?だって(笑)

その方、いい人ですよね(笑)

アツいい人、いい人(笑)そういうことがあり。
面白いですよね(笑顔)


************つづく〜


何度も出てくる

「これ、面白い話なんですけど…」

という言葉。

その経験は、決して「面白い」わけではありません。

奥さまとの離婚・借金、シングルファーザー、不登校、ご自身の不倫…

そんなご自身の経験を「面白い」と言えるのは、日本メンタルヘルス教会で学んだことを実践し、自分自身とちゃんと向き合ってきたからだと思います。


 ●自分が、自分自身のカウンセラーであること


そして何より、


 ●人生を、今を楽しむこと。


そんな風に自分の人生を「面白い!」と言える心の在り方を体現する新居さんには、また別の大きな理由がありました。


新居さんのお話は、まだまだ続きます!

後編も、お楽しみに☆




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 ■新居厚人さんのホームページ



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「窓の内側」の人、心理カウンセラー美樹teaの

『お茶うけ心理学note』もあります!